七海が帰ってくる。
五条からそう連絡があり、聞いた時間に一応顔を出してみると、そこには懐かしい顔があった。高専を卒業して以来見ていなかった七海は、頬の丸さもなくなって、完全に大人の顔をしていた。ていうか窶れている。その割にすっきりしたような、吹っ切れたような目で、かつての後輩は座っていた。
「出戻り記念に一級推薦してやろうか」
「結構です」
五条が面白そうに言った。間髪入れずに返したものの、五条は結構っていいってことだったよね〜とかなんとか、詐欺師のような都合のいい解釈をして、ふんふんと今後の予定を立てている。
はあと大きなため息と共に、七海が額を押さえた。
「相変わらずでしょ」
笑いを含んだ声で話しかけると、ええ、と七海が頷いた。
「帰ってきた感じする?」
「……はい」
あきらはあははと笑って、今にも学長の元に推薦に向かいそうな同期を止める。
「ん?何?」
「私も行く。二人いるしね」
「高遠さん……」
あなたもですかと訴えるような顔を、七海はしている。そりゃあだって、あきらもろくでもない先輩の一人なのだから、仕方のないことだった。