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デジャヴ

「自分たちが何をしたか、わかっているか?」

こめかみに青筋を浮かべた学長は元々強面なこともあって恐ろしい。しかもこの人の怒りはいつも正当なのだ。感情に任せて怒鳴ったりはせず、ただただ当人たちの非を、しっかりとした言葉で叱るだけだから、怒られている方としてはひたすら畏まるしかない。

「伏黒」
「……すみません」

正座の格好で反省する生徒三人のうち一人が謝罪の言葉を口にした。まあそれしか言うこともないだろう。
それをちょっと離れたところで眺めて、あきらはため息を吐く。

女子一人に男子二人の、三人。
昔見た光景と、少し重なるものがある。

「……歴史は繰り返すってやつか」
「何何?」

端っこで怒られている自分の生徒を見て、面白そうに笑っていた五条があきらの呟きに気づいた。

「別に。ていうか担任のあんたが叱るべきじゃないの」
「僕ならそもそも叱んないよ」
「……あっそ」

大げさなジェスチャーまでして逆に褒めちゃうね〜!と笑ったせいで、夜蛾がぎろりとこちらを睨んだ。

「前言撤回」
「ん?」
「あの子達は反省してるから、別に繰り返してはない」
「何のこと?」

遙か昔の学生時代、正座というポーズは取りつつも反省の色が全く見えなかった後輩三人の姿を思い出して(ついでにその中の一人が現在の同僚であることを嘆いて)、あきらは大きく息を吐いた。