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京都校新入生歓迎会

「静粛に」

呪術高専京都校の新入生歓迎会は、何故かそんな突然の真剣な声で中断した。

今の今までわいわいとお菓子などつついていた先輩方の表情が途端に白けたようなものになったので、状況を全く理解していない新田はえ?と不安になる。
チッ、と舌打ちさえ聞こえだす始末だ。
知らない人間ばかりで不安だろうと隣に座ってくれた二つ上の先輩──高遠あきらは、昨日初任務に同行してくれた時とは全然違う鋭い目つきで「あのバカ」なんて呟いていて、それがなんだかちょっとショックだった。
そうこうしているうちに、東堂という三年の大柄の男が、みんなからよく見える位置に立ち、咳払いをする。その手にはジュースの入ったグラスがあり、まるで乾杯の前音頭を取ろうとでもしているかのようだ。

「乾杯さっきしませんでした?」
「したね」
「……何始まるんです?」

小声で尋ねると、あきらは半目になって視線を東堂に投げ、「すぐわかるよ」と言った。

「静粛に!」

もう一度東堂が声を張り上げる。今度は向かいにいた禪院真依が「してるっつーのよ」とぼそりと言った。空気が悪い。場が完全に白けている。誰もが東堂から目を逸らしている(糸目やロボでよくわからない人含む)。
歓迎会ってこんなもんやったっけ?と内心困惑しているところに、東堂の声がかかる。

「新田新!」
「は、ハイ!」

新田が反射的に立ち上がると、東堂は悩ましげに眉尻を下げ、目を細めた。

「呪術師として、これだけは最初にオマエに聞いておかねばならん」
「へ」

そう言った先輩のあまりにも真剣な表情に、新田はごくりと喉を鳴らした。
東堂の等級は一級。しかも呪術師の家系の出身ではないと言う。二級や準一級のまま生涯を終える術師が多い中で、その等級は異常と言ってもよかった。
そんな先輩に呪術師として、とまで言われたのだ。さて何を聞かれるのかと緊張する新田をよそに、たっぷりと溜めて溜めて、東堂は目をカッと見開いた。

「新田!」
「はい!」
「どんな女がタイプだ!」
「はい!!……え?」

一瞬頭が真っ白になった。反射でした返事のあとようやく質問が頭に届き、その唐突さに我に返る。
は?とあたりを見回すと誰もがやっぱり目を逸らしていた。東堂だけが「男でも構わんぞ!」と真剣な表情と馬鹿でかい声量で畳みかけてくる。
周りを見回す。

「新田ァ!」

誰もこっちを見ない。昨日の実習では笑って手助けしてくれたあきらでさえ、スマホを見ては〜あと猫の写真など見ている。他の先輩たちも爪を見ている、苦笑している、ぼんやりと宙を眺めている肘をついている起動を停止している(ように見える)など反応は様々だったが、これだけは共通している。
──誰も新田を助けてはくれない。

「馬鹿者!女の好みも即答できないとは、この先が思いやられるぞ!!」
「え、えぇ……?」

混乱しきった後輩。白けに白けている会場。どちらも全く気にすることなく、東堂は新田を力一杯叱りつけた。