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パンダがめんどくさい

ちょうど上野のあたりで実習があったので、あとそれが結構さっくりと終わったので、帰りに上野動物園によってみた。東京に来てまもないころに一度来たことはあるが、その時は休日だったから、人がわんさかいて大変だった。しかし今日は平日だから空いている。思い思いに過ごしている動物達を、鼻歌を歌いながら眺めていく。
パンダのところで、今高専にいるだろう、触れあえる(そして喋ったり戦ったりスマホを触ったりできる)パンダを思い出し、なんだか愉快な気持ちになる。

一通り眺めて満足すると、売店に入った。お菓子でもおみやげに買って帰ろ、と思ったのである。
 

**
 

「……あのさ、真希」
「なんだよ」

おみやげとして渡したクッキーの袋を破りながら、真希が答えた。あきらは困った顔で、教室の扉から顔をほんのちょっと出し、こちらをうかがっているらしいパンダを見る。その反対側では狗巻が同じようなポーズでこちらをじいっと見つめていて、あきらは意味がわからなかった。

「あの二人、何してんの?」
「知るか」

簡潔な返事があった。だよねえとなんとも言えない顔をしているあきらに、

「他のパンダの匂いがする」
「しゃけ!」

わざと低くした声がかかる。狗巻がそうだそうだとでも言うようにおにぎりの具を口にした。

「……はあ!?」
「この浮気者!」

クワッ!と威嚇され、あきらが目を丸くした。真希はクッキーを食べながらくだらねぇと呟いている。

「いや、犬猫かわいがったわけじゃないし!」

この間猫カフェに行って帰ってきたときにパンダ以外をかわいがるなと絡まれたことを思い出し、言い訳まがいのことを言うと、「オマエらのパンダは俺だけだろうが!」「しゃけしゃけ!」と冗談なのか本気なのかわからない答えが返ってきた。