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思い出したくない/五条

目前に迫る京都校との交流会に備え、一年二年が練習場に集まって体術の特訓をしている。悲鳴を上げてパンダに投げ飛ばされる釘崎、キャッチしてまた投げ飛ばす狗巻、そこから少し離れた場所で、呪具を持ってやり合う真希と伏黒。士気も高く練習に励む生徒たちを見て、五条が満足げに「いいねぇ」と言った。

「このまま二年に任せて良さそうだ。もしかしてあの子達、後輩できてテンション上がってるのかな?」
「はあ、そうかもですね」

そんなことを言ってないで早く任務に向かわせてほしい。あきらの思いはまるっと無視して、五条がぐるんとこちらを振り向く。にこーっと笑った。

「……なんですか」
「いや、ああいうの見るとさ、思い出さない?学生時代」
「………………」

僕らもあんなだったじゃん、と言われ、あきらの頭の中を十年ほど前の思い出が駆けめぐる。いや、途中で無理矢理止めた。理由は簡単、思い出したくなかったからだ。

「……馬鹿言わないでくださいよ。先輩達、あんなもんじゃなかったでしょう」

心なしか顔を青くしているひとつ下の後輩を見て、五条はそうだっけ、とわざとらしく首を傾げた。