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狗巻と初めまして2

こめかみに指を当てながら、難しい顔のあきらが切り出した。

「えーと、あのさ、狗巻君」
「……」
「必要なら私の方で対策するから、普通に話してくんないかな?」

あきらだって昇級の審査を任されるくらいの術師である。あまりしたことがないとはいえ、頭の内側の防御くらいなんとかなるはずだ。たとえ狗巻が全力で呪言を行使しようとも、術師として彼を下せるだけの自信もあった。
問題なのは、下手をすると数日行動を共にすることになる少年と、意志の疎通ができないことの方なのだ。

言葉を一応選びつつ交渉したあきらに、狗巻が「おかか」とまたよくわからない単語を返す。

「おかか……あー、ダメってことね……」

伝わっていないと判断してすぐ付け加えられたバツ印のジェスチャーに、親切なんだか不親切なんだかとあきらは唸る。

「しゃけしゃけ」
「そんでそれは肯定と」
「しゃけ!」
「……いやわかった、わかるけど、そうじゃなくてさ!?」

大丈夫かこれ!?と吠えたあきらに向かって狗巻がぐっと親指を立てている。ちょっと面白がられているような気さえして、ますますあきらは不安になった。