海が元気に、「手を繋ぎましょう!」と勢いよく言うものだから、お、おう……とあきらは差し出された手を握った。
何か理由があるのかと思い、しばらく引っ張られるままに歩いていたのだが特に何もない。
ボーダーの本部の中には人がたくさんいて、手を繋いで歩いている二人を見てはえっという顔をする。いやいい加減恥ずかしいっちゅーねん。
「な、なぁ海」
「なんですか?」
「これってな、なんか意味あるん?」
言いながらしっかり繋いだ手を持ち上げると、海がきょとんとあきらを見た。いいものばかりつまって大きくなったシャボン玉が弾けたような、海はそんな笑い方をする。
「おれはすごく嬉しいです!」
「そ、そうか……」
あきらはひょっとして押しに弱い人間なのかもしれない。
結局周りの視線を集めながらも、海が満足するまで、二人の手は繋がれたままだった。