人の部屋に来たと思ったら、あきらはいちゃつくどころかろくに会話もせずにひたすら本を読んでいる。
話しかけても生返事、それどころか
「うるさい」
ときた。
本人の言い分によると、自分の部屋より水上の部屋の方が落ち着くらしく、それはある意味光栄なことではあるのだが、だからといってずっと無視されていれば不満も溜まる。
今更我慢したり気を遣うような関係でもない。
「……よし」
一度頷くと、水上はベッドの端を背凭れにして本を読むあきらににじりより、唐突にその両脇に手をつっこんだ。
あきらがぎゃあっと色気のない悲鳴をあげる。
「ちょ、なんなん」
「はいはいあきらちゃん、おとなしいしてやー」
「ちょっと!」
怒って暴れるあきらをベッドの上によいしょっと乗せてやる。
本を取り上げて転がして、柔らかい太股の上あたりに座って抵抗を封じた。
さすがに意図に気づいたらしいあきらは、じっとりと非難がましい目で水上を見た。
「……本」
「後で読めばええやん」
「いいとこやった」
「本もええけどさあ」
不満そうだとはいえ、あきらは真っ直ぐこちらを見ており、水上の機嫌は少しよくなった。
身を乗り出せば、あきらとの距離が近くなる。そうっと鎖骨をなで上げれば、わずかに体が跳ねた。
「……まずは俺とええことしようや」
「言い方が嫌や…………」
眉間に皺を寄せるあきらは、もしかしたら本当にいやがっているのかも知れないが。
「やらしいわ」なんて小声で言われたら、逆にやる気が出るのが男というものである。