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五条と双子を眺める

※幸せ時空・学生時代

 

子供が元気なのはいいことだ。ついこの間夏油が連れてきた双子、美々子と菜々子は、怪我が治ってからこっちだだっ広い高専の敷地内を楽しそうに走り回るようになっている。
地獄のような場所から助け出した恩からか、一番なつかれているのは勿論夏油だ。夏油がいれば夏油にべったりだし、夏油がいなければ怪我を治した硝子にひっついている。二人とも手が離せない状況になったらそのときはあきら、最後の手段が五条と双子の中では順番が決まっているようだ。

「悟お兄ちゃんのバカ!」

少し遠く、一体何を言ったのか、菜々子が大きな声で喚いていた。次の瞬間美々子と一緒にガッと臑を蹴り、そのまま駆けだしていく。
どうやら術式も使わず大人しく蹴られてあげたらしい。しばらく痛がるようにして距離が離れるのを待ってから、五条は緩い速度で後を追いかけ始める。

「まあまあかわいがってるよね、五条」
「そうだねえ」

硝子の言う通りだった。美々子と菜々子は、きっと気づいていないだろうけど。