「それ縛り?」
さっき二手に分かれた時よりも明らかに呪力量が増大している七海を見て、あきらは首を傾げた。曖昧に頷いた七海に、ふーんとしばらく考え込んだ後、「時間かなぁ」と結論を出す。実力のある術師は得てして勘と察しがいいものだが、例に漏れずあきらもそうだった。
術式に関することなのでおおっぴらに認めることは控えるが、別に気にした様子もない。
かっちりとしたスーツを着ている七海を改めて上から下までじろじろと見る。
「サラリーマン術師か。まさか七海がこんな面白い感じになるとは」
言ってくるっと踵を返した。
あきらや五条が勝手に面白がっているだけでごく普通の格好だと言いたいところだが、面倒なのでやめておいた。変な先輩との会話は少ないに越したことはないのだ。