※学生時代
振り下ろした棒は五条の肩に当たる直前で動かなくなった。一旦引き、今度は胴を薙いでも同じことだ。
あきらの意思で敵を打つ筈の棒っきれは、五条のことを傷付けない。
フフン、と勝ち誇ったような笑いを聞いて、あきらはとうとう構えを解いた。
目の前の男を睨みつける。
「組手って言ったよね。なんで突っ立ってんの」
「術式ありとも言っただろ。覚えてないわけ?」
馬鹿にしたような表情で五条があきらを見下ろしている。ケラケラ笑っておちょくられ、あきらの顔に青筋が一つ浮いた。
「……そう」
姿勢を正し、もう一度攻撃の構えを取る。何度やっても無駄だよ、と言われたのを無視して、「構えなよ」と告げる。
「やだね」
「あっそ」
次の瞬間、あきらの腕がしなり、先ほどと同じく五条の胴を薙ぎ払う。余裕そうな表情が、当たる直前で驚愕の色を帯びた。そのまま強かに胴を打ち、もろに受けた五条が吹っ飛ぶ。
「ってえ……なんでだよ!」
「私の術式、知らないの?」
「はぁ?」
「呪力の無効化」
平然と告げながら、五条の体勢が整うのも待たず、あきらは二撃目を繰り出した。