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小学生スナイパー1

頭。

スナイパーが第一にそこを撃ち抜くことを目標とするのには、もちろん色々理由があるし、その時々によっても違うのだろうが。
今このときの隠岐が殊更そうするように気をつけた理由は、

「……心をオニにして、な」

標的になった相手が、まだ小さな女子だったからだ。
 

スナイパーというポジションには、今のところただ一人の小学生。
年上ばかりがいる訓練に、毎回あわあわと落ち着きなく参加しては、それなりの成績を取って帰って行く。
見た目からして小さいし、年齢的にも皆の妹分であるし、加えてなんだかそれらを差し引いても放っておけない雰囲気を持っているので、結構声をかけるやつらも多いのだが、人見知りなのかあまり話をしようとしない。
警戒した小動物のようなその小学生が所属している隊が、今回のランク戦の相手の一つだったのである。

その小さな頭を撃ち抜くことに、罪悪感がないでもなかったから、隠岐は特別丁寧にその子供を撃った。
余所を向いている間に、死角から、気づかれることなく側頭部を撃てば、ベイルアウトまでの恐怖も薄れるに違いない。

『戦闘体活動限界。緊急脱出』

無機質な声が響く。
実際その子が恐怖を感じたのかどうかは、顔が見えなかったのでわからなかった。