「ちまちましとって、かわいいなあ」
隊のみんなで集まって、食堂で腹を満たしている最中に生駒が言ったものだから、隠岐は素直にその方向を見た。
ちまちま、と言葉通りの小さい子供が、お盆の上に今日の昼ご飯をのせて、こけないように慎重に歩いている。
「あきらちゃんっすね!」
「まだ小学生やろー。ちっこいのに頑張るでほんま」
「こないだは隠岐が無慈悲にベイルアウトさせたけどな」
「だって試合やないですか」
「まあせやけどな……っておっと、手伝ったった方がええんちゃう?」
「いや」
こけそうにでもなったのか、焦って立ち上がりかけた生駒を細井が止めた。
「ちゃんと保護者おるから大丈夫や」
細井の言うとおり、ひょこっと現れて、笑顔でお盆を取り上げた男が一人。慌てる後輩をものともせず、なにやら言葉をかけているのはあきらのところの隊長だ。王子という大層な名をあだ名でもなく本名として持っている男は、名前通りスマートに、あきらを他の隊員達が待っているテーブルへと促した。
「大事にされてんなあ」
「あんなちっこいの、せえへんかったらフルボッコやフルボッコ」
「先輩達もおれのこと大事にしていいっすよ!」
「十分すぎるほどしとるっちゅうねん……」
わあわあと騒ぎ出す生駒隊はやはり居心地がいい。この賑やかさは人を引きつけてやまないだろう。
途中うるせーよてめーらといいながら絡んできた諏訪隊の面々も交えつつ、任務までの時間はあっという間に過ぎていった。