高専の生徒はどいつもこいつもクセが強い。教壇に立ち、居並ぶ三人を見下ろしてあきらは思う。
机に両肘をつき、両掌の上に小さな顔を乗せて眠たげな目を向ける少女。行儀良く微笑みをたたえていい子ちゃんの顔をしている少年の耳には大きなピアス。それから机の上に長い足を乗っけて、あきらを好戦的に見上げてくる総白髪の少年。
「アンタ特級なんだよな」
夜蛾先生の代理のあきら先生でーすと自己紹介したところ、総白髪からそんな言葉を賜った。
目をパチパチと瞬かせ、「そうだけど」と返事をする。
「特級で、その上最強だって言われてる」
「うーん、まあ、今のところはね」
それはただの事実だったから、あきらは特に誇ることも謙遜することもなく、淡々と答える。白髪の少年はそれが気に食わなかったらしい。
「ほんとに俺より強いわけ」と明らかに喧嘩を売ってきた。
「そうだなあ」
しばらく何か考えるように宙を見た。そして一年生を見下ろして、にっこり笑ってやる。
「……じゃ、一回やってみよっか?」
生意気な生徒には、早めに上下関係を叩き込んでおくべし、だ。
任せてくれた夜蛾には悪いが、授業の内容は変更とする。他の二人も顔を見合わせて頷いているから、おそらく文句はないのだろうし。
わかりやすいでしょ?と続けてやれば、五条悟というらしい少年は楽しそうに笑って、望む所だと立ち上がった。