制服に決まりがないなら絶対にセーラー服がいいと言ってあきらは譲らなかった。
大人にとっては馬鹿らしいことのようにも思えるが、こういう見た目の好みみたいなものは若者にとってはやる気に直結するものだ。五条にも覚えがないでもない。
ふーんと頷いてあきらの希望を聞き、ついでに自分の意見もちょっと入れて、発注を済ませる。多分一週間もすれば希望通りのセーラー服が仕上がってくるはずだ。
「じゃあ次は呪具だね」
と制服が決まってご機嫌のあきらに告げれば、じゅぐ?と細い首が傾いた。
「呪いの道具と書いて呪具。その名の通り、呪力が篭もった武器だよ。これを持てば極論呪いの見えてない一般人でも一応呪霊が祓える」
「へ〜」
「まあ当たれば、の話だけどね」
一般家庭出身なら聞き覚えがないのは当然だから、五条は簡単に説明を加えた。
感心したように頷く教え子に、どうする?と続ける。あきらはいまいちピンときていないらしく、さっき傾けていたのとは逆の方向に首を傾けて、眉を顰めた。
「あきらの術式なら本来呪具はいらないだろうけど、まだ使い慣れてないし補助・保険としてね。ナイフとか長物とか色々あるよ。あんまりおすすめしないけど銃もある」
「銃!」
またあきらの目が輝く。制服を決めていたときと同じ輝きである。
ホントわかりやすい子だなと内心面白がっていると、あきらが興奮気味に口を開く。
「機関銃とかありますか!」
「…………」
大昔の有名なタイトルが頭をよぎり、五条はしばし無言になった。
「……多分ないし、あったとしてもおすすめはしません」
「え〜……」
「呪霊相手じゃオーバーキルでしょ。弾に呪力込める手間思うとどう考えても実用的じゃないよ」
「…………」
大人しくせめて拳銃とか日本刀にしときな、と珍しく真面目なアドバイスをしたのだが、受けた教え子は不満そうに口を尖らせるばかりだった。