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黒子の冗談?/krbs

彼はコントロールが悪くて、私は反射神経が鈍かった。ゴールポストにぶつかって跳ねたボールはまっすぐに私に向かってきて、危ない!という桃井の声は私にボールの存在を思い知らせただけで消えてしまった。

「痛い……」
「すみません」

昏倒も出血もしなかったのだが、一応氷で冷やせと赤司が言うので大人しく体育館を出た。そしたら加害者であるところの黒子くんが申し訳なさげについてきた。
保健室に先生はいなかった。座っていてくださいと言われて、丸イスに腰掛けて黒子くんを待つ。冷蔵庫を勝手にあけるのはどうなのかと後ろ姿を見て思ったけれど、いないものは仕方ない。

「どのあたりを打ちましたか」
「額らへん。一応女なんだから気をつけてよねー。傷でもできたらどうしてくれる」
「……そうなったら、責任を取ります」
「どうやって」
「結婚しましょう」

黒子くんときたら笑いもしないし、目もいつもと変わらないので冗談なんだか本気なんだかさっぱりわからない。とりあえず「……まあ私がどんくさいのもダメだったよね」と収めておいた。