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声真似について/緑間/krbs

自分で聞いている自分の声と、他人が聞いている自分の声っていうのは結構違うものだ。骨伝導だかなんだか知らないが、とにかく違う。

「緑間くんは嫌がるけど、すごく似てるよね」
「何がだ」
「高尾の声真似の話」

高尾はお調子者のクラスメイトで、私がマネージャーを務める秀徳男バスの一年生PGである。多芸多趣味な人間で、どうやって身につけたのかわからない特技もいくつか持っている。
我らが秀徳チーム不動のエースである緑間くんをやたらと気に入っていて、ちょっかいをかけたり、わざと怒らせたりしていつも楽しそうだ。声真似はその時使われる手段の一つだった。

「別に似ていないのだよ。一緒にするな」
「いやーまあ、緑間くんにはわからないのかもだけど。似てるんだよ。時々間違えそうになるもん」
「……間違えるのか」

なんだかショックだったらしい。ちょっと黙り込んだ後、緑間くんは「やはり迷惑なのだよ」と舌打ちをした。相変わらず育ちがいいのか悪いのかわからない人である。