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ピアスの話/野薔薇ちゃん

いいわよと答えてもらってからは早かった。あきらが買ってきたピアッサーを手に取り、包装を瞬く間に取り去って、野薔薇はあきらの耳にそれを当てる。さすがにちょっと待って、と制止したあきらの言葉も聞かず、気づいた時にはがちんと耳たぶを何かが貫通していた。

「ひえ……」
「こっちもね」

もういっちょ。

思い切りがいい。良すぎる。

「……あのさあ」

不満そうなあきらが耳たぶにしっかりついたファーストピアスを確認しながらじっとりした目つきをしたが、気にすることもなく野薔薇は微笑んだ。

「私もこの後買ってくるから、次はあんたがやんのよ」
「えー!」

なんか怖いからやってもらったのに!とわめきながらも、あきらはちょっと嬉しかった。