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スカートの話/七海

「ひえっ、若っ」

隣を歩いていたあきらが声を上げた。見て見て七海、と肩を叩かれたので、あきらの指す先を見る。
楽しそうに笑いながら歩いている、女子高生らしき三人組がいた。近所の高校の生徒だろう。

「見てよあのスカート。短い」

言われて見てみるとなるほど言う通りだ。見ているものが見ているものだし、あまり視線を向け続けるのも悪いので、すぐに目を逸らした。若いっていいよね、と懐かしそうに呟くあきらにため息を吐く。

「……あなたも高専時代はあれくらいでしたよ」
「え、そうだっけ」
「ええ」
「そうだったかなあ……覚えてないな」
「目に毒だなと、思ったのを覚えてます」
「え」

立ち止まるあきらを置いて先を行く。後から追いかけてきたあきらがそれどっちの意味?と問いかけてきたので、また大きなため息を吐いてやった。