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一年

「最悪」

よりによってコンビニに出かけている時に。パラパラと降る雨が頭の上に落ちる、髪を伝う、服に丸く模様を作っていく。
前を行く五条がニヤッと振り向いて、「ご愁傷様」と腹立つことを言った。その右手はしっかりと印を結んでいる。目を凝らせば雨が五条を避けて地に落ちるのがわかった。術式を使っているようだ。

「……私もお願い」
「やだね」

べっと舌を出した五条を睨みつける。と、後ろから気配が現れて、あきらの頭の上に鎮座する。影が濃くなり、見上げるとひらべったいヒラメに似た呪霊が、頭上にのっそりと浮いていた。

「わー、夏油さすが!ありがとね」
「どういたしまして」

微笑む夏油に礼を言うと、前の方から舌打ちが聞こえた。