Skip to content

立場病

五条先輩が後輩になった。呪術高専に進学した私のちょうど一年後に、五条先輩が一年として入学してきたのである。これまで何度も一つ下だというだけでこき使われてきた恨みがある私は、やっと仕返しの機会がきたぞと内心ほくそ笑んだ。
それなのに。

「一年の五条悟だ」

去年の担任だった夜蛾先生に紹介され、こちらを値踏みしているのを隠そうともしない五条先輩に適当な会釈をされた私は、「あ、ハイ。よろしくお願いします」と初っぱなから腰を低くして対応してしまった。後輩としての立場が骨の髄まで染み着いている。悲しい。