「ねえ主。主は俺のこと、愛してる?」
書き物をしていた私の膝の上に頭をのせて、清光は拗ねたような声を出した。こういう時にはなにか言葉をかけて、安心させてやらねばならない。
清光は小さな形をしている短刀たちよりもずっと甘えん坊で、そして難しい子だ。
「愛しているよ、清光」
「ほんとに?」
「本当に」
しっかり整えている髪を乱していいものか戸惑ったが、頭に手をのせれば目元がやわらいだので、よしよしと撫でてみる。嬉しそうに、膝に頬をすり寄せた。
「……清光に限ったことではないけれど。私はお前たちに、いのちを注ぎ込んでいる」
「命?」
「そう、いのち。それが代償なんだ。最初は願いを、次には感謝を、祈りを込めて、お前たちに注ぎ込む。真に思っていなければ、できることではあるまいよ」
清光の胸に手を置いた。刀としてはあるまじきことに、そこはかすかに、脈を打つ。私の、人の体と同じように。
「ここに宿るは私のいのちだ。お前を思う証でもある。大事にしてくれ」
しばらく黙って、清光はうん、と神妙に頷いた。自分の胸に置かれた私の手をぎゅっと握りしめる。そのまますうと目を閉じた。書き物の続きができるのは、しばらく先になりそうだ。