「使えぬ駒であった」
「すみません」
「仕えぬ駒であった」
「…すみません」
「支えぬ、駒であった」
「…ごめんなさい」
使えぬ駒ですみません。身体は脆く心は弱く、戦場での一個として毛利に勝利を齎す手助けさえまともにできませんでした。仕えぬ駒ですみません。足らない頭で考えたことがあなたの策に及ぶはずがなかった。毛利のためと勝利を思って命令から外れた結果がこの様です。支えぬ駒で、すみません。あなた様を支える柱にはやはりなれませんでしたね。私のようなただの女が、竜の右目を真似ようなんておこがましいにも程があった。同じ女でも、あの美しいつるぎとは大違い。技量も度量も私にはこれっぽっちもなかったのです。大口を叩くだけ叩いておいて、結局こうして血に塗れ、みっともない姿を晒す羽目になりました。いっそ見つけられず朽ちられればよかったものを。
「貴様は駒にはいらぬ。力はなく頭も悪い、役立たずのただの女よ」
「…はい……」
「……ただの女であれば、よかったのだ」
至らぬ私でごめんなさい。どこまでもあなたの意に沿わぬ馬鹿な私で、本当に、本当にごめんなさい。