じゃあ、と言った後、あきらの声が妙に弾んだ。
「うん」
「硝子。硝子と付き合う!」
「うーん。そう来たか」
えへへとあきらの笑い声が聞こえた。上手く答えたつもりなのだろう。確かに硝子は同期だから、問い掛けの前提とは外れていない。
「どうしたんだい、悟」
「別に?」
目の前の親友はホッとしたようなガッカリしたような、複雑な表情を浮かべていて、夏油は口を抑え、くつくつと喉を鳴らして笑った。五条は素直でわかりやすい。あきらが気づかないのがおかしいくらいだ。なんだよ、と苛立つ五条にすまないと謝り、さあこれで終わりかと思った時に、また硝子の声が通った。
「じゃああきら、私と付き合う?」
「…………え?」
「は?」
五条が思わず声を上げたが、二人は気付いた様子がない。サングラスの奥で青い目を見開いた五条を置いて、女子二人の話は進む。
「私も同期で付き合うならあきらだから」
「えっ……ええ?」
強引な硝子にあきらが困っている。というか絆されているのか。
もごもごと口の中で何か言っているあきらの煮え切らない態度に、とうとう五条が切れた。机をバーンと叩いて立ち上がり、二人を振り返って声を張り上げる。
「なんでそうなるんだよ!!」
「五条には関係ないじゃん」
「はぁ!?」
傑もなんとか言えよと続けて怒鳴られ、夏油は苦笑してみせた。面倒なことになりそうだ。