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寝ぼけた狗巻

ずいぶん髪が伸びたなあと、自分の隣に転がって眠っている棘を見て思う。
一年も前は眉も見えるくらいで、全体的になんだかつんつんしていたのに、今はまあ目は隠れないかってくらい、つんつんどころかさらさらと落ち着いている。
触ってみると手触りもよくて、高めのシャンプーをあげてみた甲斐があったと少し嬉しくなった。

「……ん」
「あ、ごめん、起こした?」

うっすらと開いた寝ぼけ眼が、ぼんやりとこちらを見つめる。手が伸びてきて、私が今さっきしていたように、柔らかな手つきで髪を梳かした。

「……」
「うん、何」

口元がもぞもぞ動いた気がしたので、いくらかな高菜かなと思いながら耳を近づけた。

「ねえ、なぁに?」
「…………あきら、好き」
「え」

初めて聞いたかもしれない言葉に目を丸くして、棘を見たらなんと目を閉じていた。
ほんとのほんとに寝ぼけていたらしい。
今ばかりは呪われたって構わないなと思った、幸せな朝だった。