雨がざあざあ降っている。
適当な服に適当なビニール傘をさして、ちょっと遠くのコンビニに向かおうとしたところ、向こうから歩いてくる知り合いを見つけた。
「やっ」
「や。じゃあね」
片手をあげて挨拶をされたので、応えてすぐに歩き去った。
というのに、後ろからガッと肩を掴まれる。
「……なんなの?」
問えば拗ねたように口を尖らせていた。今年28にもなる男がだ。
「折角会いに来たのにさー」
「それはありがとう。これから大事な用事があるから、また今度ね」
「どうせコンビニとかそんなんでしょ」
「……」
見抜かれている。
せめてもっとまともな格好をしていたら、騙せたかもしれないなとあきらは悔やんだ。
「僕も行くよ」と五条は言って、あきらの手から傘を奪った。当然のように相合い傘の格好になり、うええとつい声が出る。
「止めてよ、せめて相合い傘はやめて。後ろから着いてきて」
「いや濡れるでしょ、それだと」
「雨との間にも無限があるんでしょ」
「こんなくだらないことで術式とか使わないから」
いいじゃんいいじゃん、と軽い調子で五条はコンビニに向かう。置いて行かれて濡れるのもごめんなので、あきらは渋々着いていく。
なるべく濡れないようにと寄せられた肩はじんわり濡れていたから、部屋に帰った後、なんだかんだシャワーを貸すことになるんだろうなとあきらは諦め混じりに考えた。