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迷惑している七海

「五条の私物がうざい」
「……」

その第一声だけで面倒な話になるのは火を見るよりも明らかだった。七海は無言を貫いたが、元より何の返事を期待しているわけでもないのだろう、あきらは構わず話し続ける。

「いつの間にか歯ブラシ増えてるし、洗濯物入れに五条の持ってきたスウェットとか下着とかがどーんと置いてあるし、ただでさえ狭い部屋なのにおっきいサメのぬいぐるみ買ってきてカワイイでしょって、かわいいけど、かさばるでしょ!?」
「……」
「ただでさえ図体でかいからいるだけで鬱陶しいのにさ!?何なのアレ!!!」
「……高遠さん」
「何」
「惚気はやめてください。仕事中です」
「惚気じゃないけど!?」

こっちは困ってるんだよとあきらは途端に怒ったけれども、七海だって特に尊敬もしていない先輩たちの事情など聞かされて困っている。いい加減にしてくれ。