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猪野ときたら

学長からの召集は準一級以上とのことだったはずなのに、実際行ったら一人だけ二級術師が紛れていて、しかも敵があの呪詛師夏油傑だったのであきらは気が気ではなかった。
当の本人はあきらの気も知らず堂々としている。
かつての先輩はクリスマスイブの予定を高らかにぶち上げて満足したのか、家族とやらとどこかへ去っていった。
あきらは胸を撫で下ろし、残された呪霊だとかを、周りを気にしながらも片づける。

なんとか場が落ち着いた頃、向こう見ずな後輩の背後に忍び寄り尻を蹴ったらうおっと間抜けな声が返ってきた。
尻を摩り、恨めしげにあきらを見る。

「何すんの、あきらさん」
「うるさい二級。なんで出てきた」
「えー」

そのうち一級になるし、と戯けたことを猪野が言う。いつまでも学生みたいなやつだ、とあきらは青筋を立てた。

「あの人は本当にヤバいんだよ。お前は在学被ってないから知らないかもだけど」

これから先出会うことがあったら速攻隠れろ、勝ち目はないと力説すると、心配性だねと猪野が呆れた顔をした。怒りに任せてもう一度蹴ったところで、こんな時にやめろと結構怒っている夜蛾学長の制止が入った。全部猪野のせいだ。