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真人は腹立つ

買い物を終えて、真人お気に入りの隠れ家にやってくると、知らない少年がいた。
こちらを見て目を見開いて驚いている少年は、真人と話をしていたようだ。どうも呪霊が見えるらしい。

あきら、と微笑んだ真人が、少年と肩を組む。別に真人が一般人を何人殺そうが構わないが、殺し方は不快だった。嫌がらせでもするのだろうかと思って眉を顰めたが、予想に反して、真人は楽しげに口を開くだけだった。

「順平、紹介するよ。あきら。人間だけど、俺の仲間」
「…………」

呪霊ごときに仲間なんて言われるのは本意ではない。
けれどそれを言ったところで改める気はないのだろう。あきらはひとつため息を吐いてから、あきらですと名乗った。

「で、こっちが順平ね。俺が見えるんだ」
「よ、吉野順平です」
「順平くんね」

よろしく、と心にもないことを言った。
真人は機嫌がいいのか、順平の肩をポンと叩いた。

「順平、なかなか才能あるんだよ」
「え!」
「へえ」
「あと頭がいいね。多分あきらより」
「…………」

何故か馬鹿にされて黙り込んだら、特に悪くない少年ばかりが慌てた。
別になんだっていい。何だっていいが、この違和感はなんだろう。

順平が帰って行った後、あきらは真人に問いかけた。なんかキャラが違いませんか、気持ち悪いですよと。
呪霊はあぁあれ、と笑う。

「夏油の真似してみたんだよ。アイツ、慕われるのが上手いだろ」
「…………」
「うわっ」

カッとなったあきらが起こした斬撃が真人を襲う。一つは避けられたが、続けざまに放った二つ目は命中した。
呪霊の体を裂き骨が見えたけれども、憎らしいことにそれが真人にとって何のダメージにならないことをあきらは知っている。
落ち着くために息を吐いて、あきらは不機嫌に言った。

「……二度とそんな戯言を言わないでください。不快です」
「ははっ」

やっぱり慕われてる、と笑う真人は全く懲りていなさそうだ。呪霊の分際でと苛立つあきらを、楽しい遊びをしている子供のような目で見た。