あきらは反転術式を得意としている。けれどもまだまだ未熟なので、治せる怪我は限られるしどうしても患部に近いところに手を近づける必要があった。
「し、失礼します」
「……」
静かに口を閉じている狗巻の喉に手を伸ばした。
普段はほとんど見えていないところが晒されているせいか、あきらはなんだか恥ずかしい。
のどぼとけ。
触れるとわずかに動いたので、驚いた。
「……ごめんね、すぐ済むからね」
「ツナマヨ」
やっぱり男の子なんだなあと思いながら呪力を込めた。じっと顔を見られているのはなんでだろう、よこしまな心とか、役得と思っていることとか、もしかして全部見透かされているのだろうか。