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一泡吹かせてやる/真依

家の繋がりはいつだって鬱陶しい。
特にこのあきらという女は飛び抜けている。高専の生徒でもないくせに親戚だというだけで訪ねてきて、真依の部屋、ベッドの上で遠慮の欠片もなくくつろいでいるのだから、その不躾さがわかろうというものだ。
それだけでも鬱陶しいというのに。

「六発しか撃てないじゃん」

あきらはどこか呆れたように、真依の選んだ武器を見てそう言った。ため息混じりの声だった。
リボルバー式の拳銃に、一度に装填できる弾は六発きり。小学生でも見ればわかるようなことを、真依がわかっていないとでも思うのだろうか。

「六発で倒しきれなかったらどうすんの」
「リロードするわ」
「タイムラグタイムラグ」

しれっと答えてやったものの、すかさず正論を返され、真依の眉間に皺が寄る。あきらは顔に浮かべた呆れを濃くして、他にもあったろと続けた。

「刀とかナイフとか、……薙刀とかさ」
「黙りなさい」

ジャキ、と音を立てて銃を構えると、あきらがおーこわ、と形だけ両手を挙げた。恐怖などちっとも見て取れない。真依がここで本当に撃ったところで、防ぐのは容易だからだ。真依も、真希も持たなかった術式が、あきらの体にはしっかりと刻み込まれているのだから。

「……ちょうどいいわ、あきら。的になって」
「え~」
「アンタもたまには私の役に立ったっていいでしょう。外行くわよ」

うえー、ともう一度唸り、けれどそれ以上反論はなく、あきらは渋々といった調子で立ち上がった。