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鍵かけ忘れた

※学生時代・下ネタ

 

借りていたマンガを手に、あきらは同級生の部屋の扉をノックした。

「五条、いる?入るよー」

高専の寮生活は結構自由だ。
さすがに暗黙の了解程度はあるから、女子の部屋があるエリアに男子が無断で立ち入ることはないが、その逆、女子はわりと適当に男子の部屋に出入りしている。勿論鍵がかかっているときは無理に押し入ったりしないので、特に目立った問題もない。

中から返事はない。そのまま扉を押し開けると抵抗なく開いたものの、ガタゴトッと物が崩れるような音がした。しかも中は真っ暗だ。

「……何やってんの?」
「あ、馬鹿つけんな……!」

首を傾げながら部屋の明かりのスイッチをつける。ぱあっと明るくなった部屋でどこにいたのかと思えば、五条はベッドの上で布団にくるまっていた。顔だけのぞかせた五条に、「オマエな!」と何故かキッと睨まれた。

「寝てたの?」
「……寝て……た」

聞くと気まずそうに目を逸らされる。

それは悪いことをしたな、とあきらは思って、漫画返しにきただけだから、と一言告げた。部屋の真ん中に置いてあるコタツを目指し進むと、布団をしっかり被ったままの五条が、びくりと強ばる。なんだこいつと思いながら机の上に漫画を置いた。

「また新刊出たら貸してね」
「……おう」

変な態度だなと思いつつ、詮索する気はないので、あきらは部屋を出ようと扉の方へ足を向けた。
その時、嗅いだことのない不思議な匂いが鼻先をかすめ、うん?と首を傾げる。

「ねえ五条」
「んだよ」
「なんか変な匂いしない?換気した方が……」

いいんじゃない、と言い切る前に、ばふんと柔らかい物が顔にぶつかってあきらは驚く。視界が真っ白になったと思ったらすぐに開けた。枕が顔から落ちたのだ。

「なっ、なに」
「うるせー!早く出てけバカ!」

何故か顔を真っ赤にした五条に怒られて、あきらはよくわからないまま、慌てて部屋の外に出た。