※学生時代・下ネタ
高遠あきらは鼻が利く。
何故かというと天与呪縛なんて面倒かつ便利な物を、生まれつき受けているからだ。呪いは見えない、呪具を使わないと対抗できもしないかわりに、あきらは常人以上の身体能力をその身に得ている。
「なんか変な匂いがするんですよ」
眉間に軽く皺を寄せたあきらは、不快そうと言うより不思議そうな顔をしていた。
話を切り出された家入は口から煙を吐きながら、「変って?」と尋ねる。
「硝子先輩とか、女の人からはしないんですけど」
「アイツ等からはするのか?」
稽古だとかなんとか言って、遠くでぎゃいぎゃいはしゃいでいる同級生と後輩たちを指して問うと、はいと頷く。
「時間は色々で。あと人によって頻度が違ってて」
「へえ」
五条先輩は大体一日置きくらいで。夏油先輩は一週間に一回とかそれくらい。灰原は毎日、七海は週に二度くらい、と目に付いた順番にあきらが説明を加えていく。
少し考えて、思い当たることが一つあった。
なるほど、と家入は頷いた。
わかるんですか!?とびっくりしたあきらが目を輝かせる。
「さすが先輩!で、あれって何なんですか」
「教えない」
「ええ!?」
「あとアイツらには聞いてやるな」
「ええ〜!」
あきらは口を尖らせて渋ったが、先輩命令の一言で反論を封じる。あきらは不満そうだ。
「まあそのうちわかるんじゃない?」
「また適当なこと言う……」
自分のこの良心に気づく日が、いつかこの鈍い後輩にも来るのだろうか。
そんなことを考えながら、家入は白い煙を吐いた。