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みみななと五条

※幸せ時空

 

「これが蒼で、これが赫」

五条はわりと面倒見がいい。最初は美々子と菜々子についても高専は小学校じゃねーんだぞとかなんとかぶつぶつ言っていたけれど、まだ慣れない人間にはあからさまに脅える双子を、邪険にしたりはしなかった。
今だって暇潰しと練習を兼ねて、術式を披露している。
五条の術式は出力を絞っていても派手だ。二人は揃って目を丸くして、十メートルほど先でぐちゃぐちゃに潰れた的を見つめていた。

「蒼の方が通常の術式でー、赫が術式反転。反転術式ってあるだろ?オマエ等も治してもらった、硝子が使えるヤツ。あれの応用だな」
「五条、そういうの言ったってまだわかんないよ」
「なんとなくでも知ってて損ねーだろ」
「そうだけどさあ」

少なくとも術式もまだわかっていない子供たち相手にするような話ではない。あきらがきょとんとしている二人の頭を撫でていると、

「……悟お兄ちゃん」

普段口数の少ない美々子が、人形を抱きながら珍しく口を開いた。

「ん?」
「黄色は?」

後を菜々子が引き継いだ。五条が眉を顰め、少し間を置いてから答える。

「…………ないけど」
「ないんだって、美々子」
「うん……」
「じゃー緑は?」
「……ねえよ」
「そう……」

なんだかがっかりした様子の二人を見て、五条はあきらにこれ俺が悪いわけ?と腑に落ちなさそうな顔を向けた。