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不幸中の幸い

わたしは呪詛師です、と下手な字で大きく書かれた札を、その人は首から下げている。

「はいっ、今日の授業の協力者はこちら!高遠あきらです!僕の後輩!」

相変わらず無駄にテンションの高い担任教師が指し示さなくても、三人きりの一年生は初めから彼女をじっと見ている。
伏黒は無関心そうに、虎杖は不思議そうに、釘崎は呆れたように。
それぞれの視線に耐えきれなかったらしく、高遠あきらと呼ばれた女性は気まずそうに目を逸らして、遠くの塔頭を見つめた。

「実習はある程度こっちで選別してるけど、呪詛師とかち合うことにならないとも限らないからね。みんなには対人の戦い方もしっかり勉強して貰います!」

ちなみに僕じゃ相手にならないから後輩を呼びました、と腹の立つ説明を加える。

「というわけでこの呪詛師と、能力の推測しつつ三人でやりあうように。終了条件はこの鈴取ることね」
「……五条さん、なんか漫画読みましたね」
「ん〜?ま、じゃあそういうことで、スタートは五分後。それまでに三人で作戦会議して」

恨めしげな後輩の声を適当にはぐらかして、五条は話を進めた。それでも逆らわないところを見ると、後輩という存在はなかなか立場が弱いらしい。

「……担任でまだよかったのかもね」

呆れたように鼻を鳴らした釘崎の言葉に、伏黒は無言で頷きを返した。