「オマエはどんな女がタイプだ?」
もう意味が分からない。どうにかしてほしい。今日から新しい学校だ、呪術高専とかマジで名前やばいけど呪術師として生きるならここ入るのが一番らしいし、かわいい女の子とかいるかな〜フフンと浮かれていた高遠智は一気になにかの底の方に突き落とされた。
目の前には面食らった自分に凄む筋肉ダルマ(東堂と名乗った)、視界の端にはさっき質問に無言で答えるとかハンターハンターのゴンみたいなことをして東堂に尻を蹴っ飛ばされた陰陽師(加茂とか言うらしい)、それから呆れたようにこっちを見ている金髪のちっこいかわいい女子(ハーフ?西宮って言うらしい)、当然ながら誰も助けてくれない。
なんて答えるのが正解なんだ。迷っていると、東堂がふとなにかに気づいたような顔をした。
やっと自分のおかしさに気づいてくれたかと思うがそんなわけは勿論なく、
「そういえば俺の好みを言ってなかったな。タッパとケツがデカい女が好みだ。これでいいか」
いやいいかとか言われましても!と心の中でツッコミを入れる。
方向性を指し示してくれたこと自体はありがたい。でもこいつよく女子の前でそんな欲望丸だしなこと言えるな。視界の端の西宮さんが顔をしかめているだろうが。といろいろな思考が智の頭を巡る。
「……オマエも無言なんてつまらんことをするつもりか?」
また凄まれた。目が本気だ。16歳の平均身長を優に越えるガタイのいい男を目の前にして、智はあまりに無力だった。
「………………胸のデカい子が好きです……」
「ほう!」
小さな声で答えると、途端に東堂の纏う険悪な空気が霧散した。気さくに智の肩を叩き、「なかなか見所がある」と誉める。なんて低俗なという加茂の視線、せっかく同級生になったかわいい女子の冷たい眼差しと引き替えに、高遠智は一時の平穏と、東堂という友人を手に入れた。