最近のあきらは、動画サイトにハマっているらしい。お気に入りは動物の動画だそうで、移動中や待ち時間によく携帯をのぞいているのを見かける。
現場へと向かう車の中、今日も真剣な表情で携帯の画面を見つめるあきらの顔はなんだか幼い。子供であることがあまり許されない学生の子供らしいところを見ると、伊地知はいつもよかったな、と思う。それでも今から向かうのは呪霊の巣で、彼女はそのただ中に飛び込まないといけない呪術師なのだから、いいことなど何もないのだが。
「伊地知さん」
「はい?どうしました?」
運転に集中している時に声をかけられ、視線をやるとあきらがじいっとこちらを見ていた。何かおかしなことでもあったかと思った瞬間、
「伊地知さんってハムスターに似てる」
「え?」
「小さくて、弱くて、かわいいところが」
「……はい?」
そっくり、と言いながら、この学生にしては珍しく笑っている。その珍しい笑顔に驚きつつ、やっぱり釈然としないので「別に小さくはないと思いますが……」と反論してみると、間を空けずに「雰囲気が」と答えがあった。