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協力

※学生時代

 

「あの、五条君と一緒の学校の人ですよね……?」

始まりはそんな一言だった。よく使うコンビニでお菓子を物色していたあきらと硝子に声をかけてきたのは近所の高校の制服を着た女子だ。いかにも勇気を振り絞っていると言った彼女の頬は真剣さのために赤くなっていた。あきらと硝子は顔を見合わせて、「五条ってあの五条?」「あれしかいないでしょ」とこそこそ言い合う。
結構強引に喫茶店に誘われ、向かいで顔を真っ赤にしているその子の話を、とりあえず二人は聞くことにする。話が進んでいくうちにきらきらと輝きだしたあきらの顔を横目で見ながら、面倒なことになったと硝子は思った。
 

「こういうのだよ!こういうの!」
 

そこからたっぷり一時間ほど経って。
高専までの石段を上がりながら、あきらは拳をぎゅっと握って言った。まだ興奮が収まらないらしい。振って湧いた恋愛話に目を輝かせて、「私たちに足りなかったのはこれだよ!恋愛!」と力説している。
変なのに絡まれているところを通りがかった五条に助けてもらった(ホントか?と硝子は思う)のをきっかけに恋をしたらしい女子と、あきらは連絡先を交換し、協力を熱く誓っていた。
もうこの時点で面倒くさいことになるのは確定している。夏油に業務連絡しとかないとな、と考えつつ、あきらの演説を聞き流す。

「……あのさあ、止めといた方がいいと思うよ」
「なんで?」

拗れるから、と言ったがピンと来なかったあきらは首を傾げると、も〜仕方ないなあと言わんばかりの顔で「やってみなきゃわかんないでしょ」と言った。変にテンションが高い。

「いや……」
「とりあえず好きなタイプからだよね!五条どこにいるかなぁ」
「……」

好きなタイプは知らないが、五条に好きな人がいることなら知っている。
はりきって階段を駆け上がる後ろ姿を見ながら、硝子は一つ溜息を吐いた。