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後悔その2

あきらに手を引かれてドラッグストアに行き、SPFやPAは高ければいいというわけではないとかなんとか、うんちくを聞きながら日焼け止めを選んだ。まだ話があるというあきらに引っ張られるままにカラオケに入り、歌いもせずにお互いジュースを飲んでいる。どうも遊びに来たのではなく、人に聞かれては困る話があるだけのようである。

「渋谷事変っていうのがあってさあ」

ストローをくわえたあきらが眉を寄せて言う。「東京事変の間違いじゃなくて?」と硝子が聞くと、「全然違う」と首を横に振った。

「まあなんか……そこで五条が封印されて、日本がめちゃくちゃになるんだよ。それで、その原因になったのが、夏油の体を乗っ取った大昔の術師なわけ」
「はあ?」

内容があまりにも荒唐無稽なので、もしかして今日見た夢の話でも聞かされているのかと思って、硝子は訝しげな顔をする。あきらはそんな友人の反応を無視して話を続けた。

「それから日本の各地で死滅回游っていうゲームが始まって。それに参加して死んじゃったんだけど、私」
「……」
「硝子が信じられないのはわかるよ。私だって逆の立場だったら信じられないと思う。でももうあそこでできることがない以上、今いるここで私はやれることをやらなきゃいけない。そうでないと、残してきた子達に申し訳が立たない」

だから硝子も協力して。と確かに昨日までとは違う、大人びた表情であきらは言った。

「……何すればいいの?」
「……実を言うと私もよくわかってないんだよね。多分夏油が離反しなければなんとかなると思うんだけど」
「離反?」
「そ。そんでこれが、私の後悔の二つ目」

二年後の夏に起こるというある出来事を話し終えると、あきらは「だから今後できる限り夏油にひっつこうと思って」と続けた。硝子にも夏油をよく見ておいて欲しいと念を押す。

「…………これと日焼け止めが同列なわけ?」

硝子がやっとのことでそう聞くと、あきらは「肌はめちゃくちゃ大事でしょうが」と真剣な顔で言い切った。