野薔薇の決め技、共鳴りを初めて見た。
逃げた呪霊の内側から野薔薇の呪力が弾けるその様を見て、あきらは少し考える。ふう、と一仕事終えてすっきりした顔の野薔薇に向かって口を開いた。
「それさ、もしかして五条先生にも効くんじゃない?」
東京に来てからこっちで経験した数々の出来事が次々に頭に浮かぶ。昨日の組み手の時に見た、残念当たりませーんと笑いながら術式を行使する様を思い出して、野薔薇はひとつ頷いた。あきらと顔を見合わせる。
「試す価値アリね」
「だよねぇ。あ、でも人相手だと危ないかな?」
「媒体にもよるけど、まあ死なないでしょアイツ」
「呪力差めちゃくちゃあるもんね……」
今度髪でも探しておくか。それとも気を抜いてる時にいちかばちか引っこ抜いてみるか。
同級生の男子に聞かれたらまた陰湿だと言われないことを計画しながら、野薔薇とあきらは外に待機している補助監督の元へと歩いた。