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呪霊になった2

※学生時代

 

いやだいやだとごねるあきらを何とか説得して、いつもの流れで契約を進める。他の呪霊と何ら変わらない黒い玉になったそれを、なるべく無心で飲み込んだ。あまりモタモタしているとまた文句を言われるので、早速あきらを呼び出すと、どういう原理なのかいまだにわからない空間の裂け目からぼろっと転がり出る。「ぐえ」と呻いた。
一瞬放心したあきらだったが、すぐに正気に戻ると、警戒するように夏油から距離を取った。野良猫のようなその動きに少し笑って、命令を口にする。

「『家入硝子を守れ』。……これで条件は二つともクリアかな」
「あきら、どう?」
「ううーんよくわかんない」
「硝子はあきらに対して反転術式を使わないようにね。ひとたまりもないから」
「はーい」

あきらは難しい顔をして、何かを確かめるように手をグーパーと動かしたりしている。頭の後ろで手を組んで、フーンと見ていた五条が不意に、「なぁ傑」と声をかけてきた。

「前から気になってたんだけどさ」
「なんだい?」
「あの黒いやつってどんな味すんの?不味そうだけど」
「……」

せっかく考えないようにしているのだから聞かないでほしい。それかせめてあきらのいない場所で聞いてくれ。
答えられず笑って誤魔化すと、やっぱり聞いていたらしいあきらが「え?もしかして不味かったの?」「夏油!?」「ねえなんで黙ってんの!!」と必死の形相で喚き出した。黙秘権を行使する。