「玉狛第二ねえ」
あきらが渡したタブレットを膝の上に置いてのぞき込み、ふむ、と顎に手をあてて、王子が考え込むような仕草をした。その拍子に髪が一房、額にこぼれて視界を邪魔する。
あきらはこういう細かいことが、いちいち気になる質である。
すっと手を伸ばせば、うん?と王子が顔をあげた。
「前髪」
「ああ」
ちょっと伸びたからね、と微笑んでいる。
ポケットに入れていたピンで前髪を簡単に止めてやり、「いっそもっと短くすれば」と言った。
「邪魔でしょ」
「うーん、しないかな」
「なんで」
「あきらにこうして気にしてもらうの、ぼくは結構好きなんだよ」
「……」
あきらは思わず黙り込む。王子の方はというと、特に意識して言ったことではないらしく、タブレットに視線を戻した。
さっきより少しだけ機嫌がいいのが、こいつのずるいところだとあきらは思った。