学友である木崎レイジを珍しく本部で見かけたと思ったら、後ろに支部の後輩らしき子どもを連れていた。
「……いやあ……」
「なんだ」
「いや、遠近感狂うな、これ」
人よりでかいのが一人。人よりちまいのが二人。ちまい方に目を向けたら、女の子の方がぺこりと頭を下げ、もう一人がこてっと白い頭を傾けた。木崎を見上げて知り合い?と尋ねる。
「本部所属の高遠智、お前らの先輩とは友達だ。よろしくなチビども」
「チビじゃなくて空閑遊真だよ。こっちはチカ」
「知ってる。注目の新人だからな。0、4秒とトリオンモンスター……風間と引き分けたやつはいねーの?」
「三雲は任務だ」
「ああそっか。一人だけ正隊員なんだっけ」
うんうんと頷いた拍子にチカちゃんとやらと目が合った。慌てて逸らされたのがちょっと面白くて、逸らした視線の先に移動する。目があう。もっかい逸らされる。もっかい移動する。
「あ、あの……」
「高遠。雨取をあまりからかうな」
「わはは、悪い悪い。かわいくてつい」
ポンと小さな頭に手を置いてわしわし撫でると、されるがままに固まっている。見かねた遊真がその手を退けた。ちびっちゃいわりに力が強い。
赤い瞳に見据えられる。単純に色のせいか、不思議な印象を受ける目である。
「……あんた……」
「うん?」
「もしかしてそういうシュミの人なの?」
「は!?」
そういうって、どういう!?
いきなりの質問にびっくりして思わず保護者たる木崎の方を見ると、心なしか厳しい表情で答えろと促された。
「おいなんだよ……お前ら俺がロリコンだとでも言いたいわけ……」
「いいから答えろ」
「ちがいます!大人のお姉さんが好きです!せめて高校生くらいからがいいです!」
「…………あっそう」
長く溜めた後、遊真が目を細めて言う。えっなんでそんな呆れた風なんだよ。
「……本当か」
「うん」
いやだからなんでそいつに聞くんだよ。本当かどうかなんて俺に聞け俺に。俺のことなんだから。
悪かったな、と一言声をかけてから、木崎とその仲間たちは去っていった。すれ違いざまにチカちゃんだけがぺこっとお辞儀をした。なんだあれかわいいな。ちまくて。いや俺はロリコンではない。断じてないけど。