戦闘体に換装したときの那須の変わりようと言ったら、目をみはるものがある。
虫も殺せないようなか弱い見た目をしながら、トリオンキューブを侍らせて、自在に引いた弾道でどこまでも敵を追いつめるのだ。
「トリオン体の時は、私が智くんを守ってあげる」
玲が言った。にこりと、柔らかな笑みを浮かべている。どこも痛くなさそうな、何も苦しくなさそうな顔をしているから、俺はついホッとする。いくら快適そうだと言っても、今の那須の体は偽物に過ぎなくて、問題は何一つ解決していないのに、胸をなで下ろしてしまう。
「だから、生身のときは、智くんが私を守ってね」
どうも一部のボーダー男子の中で、ランク戦で那須とあたり、しつこいくらいに追い回され蜂の巣にされることはご褒美と呼ばれているらしい。
馬鹿どもめ。
ご褒美とは、こういうことを言うのだ。たぶん。