「玉狛の白チビ近界民が味方になってなかったら、あの黒トリガーのやばい爺さんはもっと暴れてたな」
「うん」
「あのちっせえトリオンモンスターがボーダーに入ってなかったら、敵さんの目的は当初の通りC級全体で、人型の派遣ももっと分散して、被害はより大きかっただろうな」
「そうだろうな」
「地味メガネが大怪我してまで根性見せてなかったら、炊飯器みたいなのがいなかったら、あいつらはもっとこっちに居座って、好き勝手やってたな」
「多分」
「……俺らが帰ってきたあの夜から全部、手のひらの上か」
迅は答えない。ただ困ったように笑った。俺はなんだか息が詰まって、その額を拳で軽く小突いた。