※0巻、百鬼夜行前
高専を出て行って呪詛師になった不肖の同期が、十年ぶりに姿を現したらしい。
電話越しにそう伝える五条の声は不機嫌で、それだけならまだよかったのだが、続いた報告には溜息が出た。今年のクリスマスイブは、血生臭いことになりそうだ。
『東京なら僕がやる。京都に来たらオマエがやれよ』
「わかってる」
短く言った五条に、同じく短く返してやる。詳しい連携はあとで他から聞くとして、二人の間で必要な話は今のところこれだけだ。
相手は特級、他の人間に任せて被害を増やすことはない。
何より三年弱とはいえ、夏油は共に学んだ友人なのだから、どうせならけじめは自分たちの手でつけたかった。
「……ていうかさ」
本題を終え話を切ったあきらに、まだ不機嫌な五条が何と尋ねる。あきらは眉間に皺を寄せた。
「なんでわざわざクリスマス?」
『みんなでクリスマス会でもしたかったんじゃないの』
「ええ……」
『あいつの考えてることなんか、昔も今もわからないよ。だって言わないんだもん』
「…………」
五条の口調はどこか呆れている。あきらはしばらく考えた後、そういえばそうだったな、と悲しいような気持ちになった。