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吸死/ヒヨシと部下

夜勤の上司にお疲れ様ですと挨拶をして帰宅、一晩ゆっくりと眠り、翌日の夜勤のために出勤してきたらもうとっくに帰っているはずの上司がまだ仕事をしていた。
VRCからの吸血鬼の脱走や新たな高等吸血鬼が起こした騒動の後始末などが重なり、業務が終わらないのだという。積み上がる書類やら何やらをざっと見たところこちらで引き取れそうなものもないので、あきらにできることはない。
せいぜい死にそうな顔色をしている隊長を応援することくらいだ。

「隊長、隊長」
「……なんじゃ」
「おっぱい揉みます?」
「…………」

しっかり10秒ほど考えた後、「…………やめとく」と断られたので、あきらはひどく感心した。

「意外と理性ありますね」
「上司をからかうんじゃにゃあ。あとそれ、他の奴らに言うんじゃにゃあぞ」

疲れたようにため息を吐く隊長に念を押され、あきらは適当にはーいと答えておいた。